幼稚園教諭の相原千夏は、父兄たちのわがままに振り回され、疲れ切っていた。ノイローゼ気味になって、もはや我慢の限界だった。その夜も鍼灸院で治療を受けていた。秋野雄一という鍼灸師が千夏を治療している。秋野は、千夏が子供のころに遊んでもらった近所のお兄ちゃんだったが、何年か前に交通事故で息子を失って以来、人間が変わってしまった。千夏はそんな秋野に戸惑っている。秋野は、身近な人が「ニセモノ」と感じてしまう「カプグラ症候群」という症状に陥っていた。自らの症状を自覚せず、妻である恭子や千夏に対して「ニセモノ」という疑念が深まる一方だった・・・。
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